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二六新報社 編『世界之日本』(@岡田茂吉文庫)

岡田茂吉文庫
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こんにちは、HIROROです。

今回は久しぶりの岡田茂吉文庫(第57回目)です。
先日取り上げました国立国会図書館デジタルコレクションで見つけました
二六新報社 編『世界之日本』を紹介したいと思います。

本書は国際連盟が発足しました翌年の1921年(大正10年)に発行されました。
上巻389ページ、下巻1084ページ(個人の部 746ページ+銀行会社商店の部 338ページ)の
計1473ページが一冊に収まっています。

上巻では、第一次世界大戦を経て国際連盟が発足した世界情勢と日本の立ち位置について論じられ、
また下巻では「新日本建造に貢献せんとする社会各方面」の個人・法人を紹介していまして、
全体的に国威発揚を意図する内容となっているようです(ちなみに世界恐慌の真っ只中です)。

岡田茂吉ですが、個人の部に登場します。
https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/946122/1/448
※利用者登録(本登録)された方、かつログインされた方のみ閲覧可能

内容は岡田茂吉の経歴と人物像を紹介し称賛するものでして、
(個人の部に登場する他の人物(主に経営者)も同様です)
岡田茂吉の紹介文の最後では「読書を好み、文学美術に造詣深く、
また活動写真に慰楽的興味を有せり」とありまして、
当時から美術や映画(=活動写真)に興味を持っていたことが分かります。

この頃は経営が行き詰まり、宗教の大本に救いを求めていた時期ですが、
(過去記事「1分で分かる岡田茂吉の生涯」「岡田茂吉とビジネス」参照)
本書では特にそのあたりは触れられていません。

該当箇所を文字に起こしましたのでご参照下さい。
なお、一部は旧字体を新字体に変更しています。


岡田茂吉氏
明治十五年十二月生
東京市京橋区大鋸町三番地
電話 京橋四一三一番
各種装身具旭ダイヤモンド発売元 株式会社岡田商店社長

徒手にして遂に百万の財を貯ふる者必ずしも世間其例無しとせず、
何等学歴無くして世に学界の耆宿と称せらるヽ者亦罕には之れ有り、
凡て功成り名遂ぐるの人物を以て悉く宿命説に付会せむとする者あれども
吾人は之を以て直ちに肯定するを欲せざるもの也、要はその精神の
堅忍不抜なるにあり、その信念の堅実にして正鵠を逸せざるにあり、
岡田茂吉氏の如きは即ち之れにして、氏は少年時代甚だ虚弱為に
中学さへも半途退学の余儀なきに立到りし程なるを以て、
順当の学校的過程を経たりと云ふ可らず、又其資金と称するものも、
僅に厳父の遺せる二千余円を有せしのみなれば、是亦今日二百万円の
株式会社を起し之が社長たり、金属宝石類等高価なる商品を取扱ふ者として
論ずるに足らざるものなり、而も其今日あるは氏の堅実なる信念と
不撓の精神あるに因るものにして、邦人自ら白人に劣れりてふ観念其者が
邦人を劣弱ならしむる主因たるを喝破し、勇往邁進したるに負ふ所多く、
現に最近の社会及び国家的諸問題にしても極めて妥当にして真諦に触れ、
而も穏健にして国民性に適する解釈を有せる程なれば、其少年時代病弱の域より、
二十三四歳健康恢復後間もなく現業に従事せりと雖も、見る所自ら他と選ぶを異にし、
業務愈々繁栄を来せるは敢て怪しむに足らず、今や自己の経営を移し
大正九年二月を以て株式会社と成し、資本金二百万円を擁して更に規範的経営に入り、
益々発展せむとするは慶祝すべきことならずや。氏は読書を好み、文学美術に造詣深く、
また活動写真に慰楽的興味を有せり。(同書 下巻 個人之部 453~454ページより引用)


①タイトル
『世界之日本』

②著者・編者
二六新報社 編

③出版社
二六新報社

④出版年月
1921年6月

⑤サイズ
B5判

⑥頁数
1473頁

⑦目次
「世界之日本」上巻(389頁)
「世界之日本」下巻 個人之部(746頁)
「世界之日本」下巻 銀行会社商店之部(338頁)

イラスト:きーろ様(Twitter*@ki_ro_iroiro)

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