こんにちは、HIROROです。
今回ですが岡田茂吉文庫の第56回目としまして、
町田勝彦『『世界救世教』への告発状』を取り上げたいと思います。
前回・前々回に続いての世界救世教批判著書シリーズ(?)です^^;
本書はいつもお世話になっていますT様からかなり以前に頂いたのですが、
これまで紹介できずにいたのですが、ちょうどよいタイミング(?)のため取り上げました。
さて本書ですが、教団の光と闇の部分があるとすれば、
その闇の部分のみにフォーカスし、非難するだけのために書かれた本です(苦笑)。
そもそも、顧問であった三好康之氏が辞任後に『世界救世教の実態―医療拒否とその裏面』を執筆し、
その原稿が月刊ペン社にわたり、世界救世教をゆするために書かれた本ですので、当然といえば当然かもしれません。
なお、世界救世教はゆすり行為に屈せず一切妥協しなかったため、結果的に本書は刊行されましたが、
ちょうど松本明重氏が外事対策委員長に就任し問題に対処したため、月刊ペン社にとっては不発に終わりました。
ちなみに『月刊ペン』誌は1985年に廃刊、同社は1987年に破産したそうです。
(松本明重『何をしている世界救世教』60ページより)
なかなか入手性が悪い本ですので見る機会も少ないかもしれませんが、
文末の目次からも内容が推測できるかと思います。
あれこれ書かれていますが、要約しますと①信徒の医療拒否、②不明瞭な会計の2点の批判です。
実はこの批判につきましては世界救世教側でも問題認識はしていまして、
①は救世診療所の開設(1972年)、②は一元化(1972年)の原動力となりました。
②に関しまして一部分を抜粋しておきます。
奇怪なことに、私の手もとの㊙をみると、地区制がしかれた場所からの上納金は、
信者一万人当りにつき七百万円から一千万円(月収)という数字が報告されているが、
旧体制の教会からの上納金は、同じく信者一万人当り二百五十万円から三百万円(月収)程度なのである。
もっとわかりやすくいえば、教会があるために、上納金の三分の二が煙のように消えてしまっているのだ。
(本書131ページより引用)
今では分かりにくいかもしれませんが、大きな教会では地場だけでなく他県・他地域にも傘下の中教会・小教会があり、
これが一元化されると傘下から外れてしまうので、分派教団は一元化に反対し独立したというのが世界救世教側の見解です。
分派教団側からすれば世界救世教の中央集権化であり、せっかく育ててきた他県・他地域の中教会・小教会を奪われることを意味しますが、
世界救世教側からみると中抜きされて教会長の懐に入っているものはちゃんと納めてほしいし、
そもそも税法上かなり危ないのでとても任せていられないといった背景もあったと思われます。
熱心な信徒の方は本書を読むと不愉快になるかもしれませんので、
本書に関しましてはあまりおすすめしません(笑)
気になる方は頑張って探してみてください^^;
①タイトル
『『世界救世教』への告発状』
②著者・編者
町田勝彦
③出版社
月刊ペン
④出版年月
1970年3月
⑤サイズ
四六判
⑥頁数
213頁
⑦目次
まえがき
第一章 教祖岡田茂吉を告発する
1 一問一答
2 按摩師から神へ
3 最高神が死んだ
4 浄霊法の原理と方法
5 近代医学の絶対否定
6 誰に奇蹟が起こったのか
7 偽シャーマニズム
第二章 浄霊法を告発する
1 人喰い邪宗に殺された
2 胃ガンは蛇の憑霊なり
3 自然農法のカラクリ
4 医師法第十七条「モグリ医者」
5 喜光教会致死事件
第三章 不正収穫を告発する
1 年収三十億円のブルジョワ宗教
2 騙取の方法
3 教会長という名の貴族たち
4 神から信者への請求書
5 ぬれ手にアワの集金人
6 教祖の死因
あとがき
岡田茂吉著書目録
イラスト:きーろ様(Twitter*@ki_ro_iroiro)
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