こんにちは、HIROROです。
今回は岡田茂吉文庫の第二段としまして、
栗田勇『岡田茂吉の世界』を取り上げます。
前回に続いて目次の項目が多く文字を打つのが大変でした(汗)
MOAセンターや療院などではよく見かける本ですので、
手に取って読まれた方も多いかもしれません。
本日センターに行って写真を撮っていましたら、
職員の方に余剰があるからと一部(五冊)を頂いてしまいました。
(本当にありがとうございました)
本書は作家・思想家として著名な栗田勇氏が著者・編者として
エムオーエー商事から発行された全五巻からなる研究書です。
五巻合計1200頁というボリュームですが、
ほとんどのページにカラー写真が使用され、
また栗田勇氏と森山忠彦氏(『地上天国』誌編集発行人)の
対談形式のため一般の方でも読みやすい内容となっています。
中身につきましては単なる岡田茂吉研究ではなく、
日本文化における岡田茂吉の思想の位置づけ、
他宗教との比較、自然文化や世界文明の中において
岡田茂吉の行業や事蹟の意味を再確認するなど、
栗田勇氏の膨大な知識知見をベースに様々な角度から
考察されている圧巻の一書となっています。
今から30年前に発行された書籍ではございますが、
内容は色あせておらず、むしろ現代だからこそ学ぶべき項目も多いです。
各巻の目次で気になった項目を拾い読みするのも良いかもしれません。
①タイトル
『岡田茂吉の世界ー栗田勇氏は語る』
第一巻 聖地
第二巻 自然
第三巻 芸術
第四巻 文明
第五巻 思想
②著者・編者
栗田勇
③出版社
エムオーエー商事
④出版年月
1990年2月
⑤サイズ
A5版
⑥頁数
第一巻 240頁
第二巻 240頁
第三巻 240頁
第四巻 240頁
第五巻 240頁
⑦目次
第一巻
待望の書 発刊をよろこぶ/川合輝明
岡田茂吉研究の不朽の大作/戸田義雄
神と人を結ぶ接点
聖地とは
文明の座標軸
人間の祈りが集まる土地
メスキータとカテドラールが示すもの
人間の祈りが集中した中心
己の心を超脱して
桂離宮と東照宮の背景
東照宮の見直しと男体山
聖地観の確立を
三位一体としての聖地
理想郷伝説の地
箱根山に顕れる大宇宙の意志
聖と俗のふたつの空間
かんなび・こもりく・はちようれんげ
日本の名山と霊地
富士に心を寄せる日本人
山の背後にある真実を見抜く
信行者の驚異的な予言
雛型の意味
作り続ける中で祖型が活きる
俗から聖への魂の回帰
聖地・聖蹟の意味
岩と宇宙の交流
起爆する岩
鋸山の啓示=聖蹟
神と我の一体化
己を捨てて人の幸せのために
日蓮上人の評価
永遠とめぐりあう
神々との交流の跡を訪ねる
聖なるセンター室生寺
俗なる日常からの離脱・参拝
軀を運んで聖地が成立する
第二巻
神を見るから、自然が見える
雪ならぬ雪景色
映画「生きている土」の反響
海外でのカルチャーショック
破壊されつつある大地
大自然のシステムの意味
宗教愛と自然への洞察
自然のリズムに寄り添って
自然農法はラブ農法
神話に見る日本人の農耕
アダムとイブと田楽踊りとなおらい
有機農業と自然農法との違い
歴史を変え、新時代を創る発想
心の繁り
自然とともに生きる共生の思想
「グリーン」は生命のシンボル
宇宙の調和と自然農法
「食断の時代」を生きる智恵
見直される自然農法の食品
さまざまな問題
日本の米価はアメリカの六倍
本物の値打ちで選ぶ
絶対条件ではない価格
“食”に知る生きる意義
物々交換の神聖な意味
食にある宗教の原点
道元の話・典座の教訓
もう一人の老典座
典座と良寛
食べることは理解すること
それぞれの命を生かす
“命”あるものを食する
食を通して神仏に出逢う
チェルノブイリの教訓
一輪の梅花に宿る宇宙の真理
岡田師の和歌に見る自然の姿
自然を動かすラブ・エネルギー
宇宙・シンボル・ナタラージャの踊り
インド=ラブ=愛の宇宙哲学
興味深い郭沫若の考え方
死と再生の祭り・クリスマスとカーニバル
陰きわまって陽に転ずる
花が開いて世界始まる
より巨いなるものとの一体感
東洋と西洋、自然観の違い
ボードレールの詩の宗教性
東洋の美、気韻生動
枯れる葉、咲く花に神の仕組み
自然と個人の生命の一致
花の命を大切に
「山水」と「水月」の深い意味
本来の姿を生ける花
ハサミの音に見る剣豪の姿
第三巻
宗教と芸術
美は世界を動かす
美がそのまま宗教の境地
苦行よりも美による感動を
生きる力を与えた一枚の絵
芸術を通して人生に入る
ランボーの詩との出逢い
詩の風景がひとつの世界となって
疾走する悲しみーモーツァルト
宙空に鳴り響く音楽
己れと対象が一体となる時
文化とは神を讃えるもの
芸術と宗教の再結合
衰弱に向かう近代芸術
生きる勇気を与える美的感動
ウォーナー博士の功績
博士来訪を待ちわびた岡田師
美は世界を救う
文明比評に生きる美
護り抜く民族の宝
岡田師と信者の一体感
生活を芸術にする心
生活を芸術に高める
次々と絶たれる志す道
生きている感動を芸術に
建築も芸術
社会的機能を果たす美術館
偉大な宗教的芸術家たちを評価
日本画こそ真の芸術
山と五重塔と刀の反り
富士曼荼羅に見る日本
描かれたものは”影”
「重盛像」を絶賛したマルローの真意
西洋文化の真髄
造化に従い、四時を友とす
西行と芭蕉を結ぶ点と線
念仏の極意
造化にかえる
物を識るという事
日本美の精髄を極める
社会的スケールで芸術を捉える
名品がコレクターを選ぶ
人間は巨きなもので動かされる
琳派の芸術理念
生活を芸術にした町衆
光悦寺と岡田師の心
利休から琳派をつらぬくもの
自然との共生
草木国土悉皆成仏
「山月庵」の茶の湯
一期一会人生ドラマ
茶の湯と清浄の美
きれい寂・武家の茶
宇宙を感じる庭
統一性と全体性の感受
コルビュジェを評価された岡田師
単なる機能主義の旗手か
人間の空間の追求
太陽と緑と風
モジュロールー日本の木割
人格が刻印される「書」
現代批判に思想が生きる
内なる感動を大事に
美の波長を受けとめる
第四巻
新文明の創造へ
失われつつある精神文化
現実の救いから出発
文殊信仰の聖地・中国五台山
社会主義国に生きる宗教心
民衆のなかに生きる心
物と自然と人間の交流
比叡山宗教サミット
平和への道
破滅への危機感が根底に
祈りこそもっとも行動的なもの
時代に生きる
敗戦日本で見る未来
アメリカ文明の空洞化
物質文明の行き詰まり
現代は半野蛮
隠された”死”
不思議な怪物
鋭い文明批評
文明の創造教
ベルグソンとプラグマティズム
あくぬけした信仰
現世主義的な思想
価値転換をした現実生活
宗教と科学の乗り入れ
宗教と科学の対立を超えて
私は宗教科学者だ
不確定性原理の世界像
奇蹟の登場
内部崩壊した古典的自然科学
植物にも意思がある
微妙な調和を保つ地球
人間・小宇宙
東洋医学の見直し
臓器移植と試験管ベビー
人間と宇宙の対応
爆発する原意識
現代科学の三人の旗手
同時に起こる同じ現象
至福体験とは
修行で極限状態に置く
不可思議世界の解明へ
東洋と西洋の結びめ
文明の母・宗教
中世ブームの意味
ホイジンガが見直した『中世の秋』
遊戯人=ホモ・ルーデンス
中世文化に光を
ヨーロッパ精神文化の開花
イスラムから学んだギリシア・ローマ哲学
クリュニー派修道院の感性
千年王国論と弥勒浄土
カサノバとドン・ファンの相違
プロテスタンティズムの源流
政府は正義の機能がある
契約関係だった封建制度
仏教文化の華開いた鎌倉時代
人間を物質としてとらえる誤り
岡田師の文明史観
人間が最高の存在である
近代を乗り越える東洋思想
一神教世界は地方的だった
宗教は文明そのもの
一致していた宗教と科学
宗教が人類に提示した世界観
宇宙の本質を探る
第五巻
鹿島・香取に見る神話と歴史
古代信仰の焦点、鹿島・香取
日本歴史の先取り
神話的パースペクティブ
鹿島・ええじゃないか
伊豆の弥勒信仰と鹿島踊り
海洋民交通の要路
鹿島と香取と太陽と
死と再生と四季のめぐり
弥勒信仰と地上天国
御手洗池と本殿の向き
鎮めの石・要石
筑波山参拝の意味
経津主命と武甕槌命
神々との霊的交感
鹿島神宮の祭頭祭
神遊びと鹿島踊り
豊穣への祈りと踊り
神とともに楽しむ
芸能は人間を越すものの通路
神遊びは人間の至福
利他愛の姿は、七尾行
七尾行の深い意味
七尾行の謎をとく
気多大社と能登半島の大陸交流
和歌に見る人生の哀感
無心で近づく深い真実
浅井家での必死の浄霊
功利では測りきれない三つの問題
霊的世界実現の意義
千日回峰行における利他行
常不軽菩薩行
信越回りと米原回り
七尾の神話的意味
入らずの森と七尾の歴史
愛から利他愛へ
現世主義と体系的世界観
絶対肯定に立つ現世主義
明確なトータルヴィジョン
世界観のチャンネル転換
岡田師の思想に立ち返る
人々の救いに応える新宗教
聖と菩薩
古代神話体系
独自の古代神話
壮大なアジア的視点
神話的発想の再確認
岡田師の神話的ヴィジョン
聖俗の重なりあう人間存在
共有するヴィジョン
全体像を把握する糸口
思想とイメージから肉薄
日常と霊的現実との接点
近代西欧社会を作った二人の思想家
人間を超えるものを直感
伊都能売、中道思想の実践
合理主義からの解放
コメント
「岡田茂吉の世界」…我が家にも、存在していることを、気づかされました…f(^_^;一度も紐解いたことの無いものです…。
これを機会に開かねば…っと思わされました…(*^.^*)
>高橋さま
コメントありがとうございます。
そういう方は多いかもですね^^;
「一般の方でも読みやすい」と言いましたが、
難解な専門書と比べたら読みやすいものの、
とっつきにくい内容ではありますので、
興味があるところから少しずつ読まれてみてはいかがでしょうか(^^)