こんにちは、HIROROです。
今回もビジネス関係の記事です。
皆さまは「岡田商店」はご存じだと思いますが、
「丸茂商店」につきましてはご存じでしょうか？？
HIROROは今回の調査で初めて見つけました。
管見の限り、先行研究(『東方之光』上下巻)においては以下の通りでした。
【これまでの見解】
・岡田茂吉は明治40年(1907年)に卸問屋の岡田商店を立ち上げた
・岡田商店は木村金三という番頭が支えていた
・岡田商店は岡田茂吉の「茂」を丸で囲んだマークを用いていたので「マルモさん」と呼ばれていた
・大正9年(1920年)2月に岡田商店は株式会社となった
・木村金三は岡田茂吉と相談の上、大正12年(1923年)に独立した(木村工芸株式会社)
今回明らかになった事項ですが、結論から申し上げますと次の通りです。
①岡田商店とは別に丸茂商店という会社があった
②丸茂商店は大正8年(1919年)2月11日に合資会社として設立、
代表者は木村金三、取締役に岡田茂吉と岡田たかがいた
③大正10年(1921)年の『日本全国商工人名録』の鼈甲商の項目に、
岡田商店と丸茂商店が並記されていた
つまり、従来の研究における木村金三独立：大正12年(1923年)の4年前の
大正8年(1919年)に実は木村金三が代表者である会社が設立されており、
加えてその名称が「丸茂商店」で同じ鼈甲商というカテゴリのため、
「マルモさん」という呼称自体も「丸茂商店」と混同している可能性が考えられます。
参考資料は国会図書館デジタルにてご参照ください。
(1)株式会社岡田商店の登記
官報 1920年06月09日 – 国立国会図書館デジタルコレクション (ndl.go.jp)
(2)合資会社丸茂商店の登記
官報 1919年05月14日 – 国立国会図書館デジタルコレクション (ndl.go.jp)
(3)『日本全国商工人名録』の岡田商店と丸茂商店の並記
日本全国商工人名録 8版 – 国立国会図書館デジタルコレクション (ndl.go.jp)
※ちなみに「岡田茂吉商店」という商号も確認されましたが、
岡田商店から名称変更したものか、別の会社かは不明でした
コンマーシャルガイド – 国立国会図書館デジタルコレクション (ndl.go.jp)
前回の永代活動写真株式会社においても先行研究から新事実が判明しましたが、
『東方之光』上下巻が刊行されて40年以上経過していますので、
そろそろ、その後の研究成果を反映した新たな岡田茂吉伝が必要とされているかもしれません。
(来年の2025年2月は岡田茂吉没後70年の節目となりますし)
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