こんにちは、HIROROです。
今回は岡田茂吉文庫の第六弾としまして、
島田裕巳氏の『日本の10大新宗教』を取り上げます。
本書の筆者は宗教学者として著名な島田裕巳氏でして、
2007年に刊行されたのでちょっと情報が古いところもございますが、
新宗教をサクッと学ぶにはちょうど良い本です。
(「反社会的な性格」の新宗教は除いているとのことです)
世界救世教につきましては7章目に登場します。
内容は「三つの教団が二〇一〇年には再統合を計画している」など古新聞もあるものの、
全体的には丁寧かつシンプルに解説されていて読みやすいです。
その中で神慈秀明会が別項目で説明されていますのは、
一時期「神慈秀明会は危険なカルトの一つと見なされるよう」になったためですが、
「教団内部では、その点を反省し、一九九七年には旧体制から新体制への移行を宣言」したなど、
誤解が無いようにしっかりと説明されています。
また同じ章で「真光系教団」も取り扱っていますが、
文中では「教会ごと脱退しているわけではないので、分派とは言えない」と
真光系教団の創立者・岡田光玉が岡田茂吉の影響を受けつつも、
世界救世教から分派したわけではないことをちゃんと解説しています。
(同じ岡田姓ですが縁戚関係ではないです)
新書で読みやすいので是非手に取ってみてください。
①タイトル
『日本の10大新宗教』
②著者・編者
島田裕巳
③出版社
幻冬舎
④出版年月
2007年11月
⑤サイズ
新書版
⑥頁数
215頁
⑦目次
はじめに
話題になった新宗教
常識と対立する新宗教
活かされる創価学会のノウハウ
公明党の政権参加とその余波
宗教政党への批判
新宗教としての出発
無宗教という自覚の上に
その古さと新しさ
分派と対立
本書の内容と目的
1-天理教
宗教都市・天理
巨大な礼拝場
新宗教はいつ生まれたか
天理教の誕生
既成宗教の影響
天理教迫害の原因
奇っ怪な老婆と愚民
教祖の死の意味づけ
搾取の宗教として
戦後における布教の失敗
2-大本
『邪宗門』の作り上げた大本イメージ
とんでもない小説
王仁三郎という怪人
王仁三郎の吸引力
金神の信仰から
大本の発展と最初の弾圧
アジアへ
第二次大本事件とその後
3-生長の家
激減した信者数
大本へ
大本からの脱退
生長の家の誕生
現世利益実現の宗教へ
かつてない誇大広告
天皇への帰一
時代の変化と運動の衰退
4-天照皇大神宮教と璽宇
踊る宗教出現
「どうだ、岸」
天皇に代わる現人神
知識人にも人気の生き神さま
双葉山の大立ち回り
腰巻きにまで菊の紋章
大本の流れ
ハワイでも歌説法
5-立正佼成会と霊友会
ピンク色の大聖堂
日蓮系、法華系新宗教の台頭
庶民の信仰から
立正佼成会への信仰の系譜
霊友会とその分派
新たな都市民のための先祖供養
法座
読売菩薩
インナートリップの霊友会
6-創価学会
折伏による拡大
同じ日蓮系だけれど
牧口の関心
排他性の社会的背景
戸田というカリスマ
政界へ進出した理由
捏造された戸田の遺訓
勝ち負けという原理
信仰の継承
神格化とポスト池田
7-世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
天国の美術館
分派と分裂のくり返し
お光さま
世界救世教の誕生
神慈秀明会の歴史と活動
元軍人の開祖
若者が関心をもった新宗教
8-PL教団
甲子園と新宗教
名門PL学園
日本一の花火
徳光教という母体
ひとのみち事件
PL教団としての再生
社会との調和
9-真如苑
何かと話題の教団
新宗教のNo.3
まるで病院のよう
日常的な宗教
修験としての出発
子どもの死を乗り越えて
真言宗からの独立
仏師への道
世直しなき新宗教
10-GLA(ジー・エル・エー総合本部)
現在進行形の関心
ファンの多い教祖
経営者としての側面
GLAを生んだ宗教的な環境
霊と奇跡
GLAの発足
「ビバ、ミカエル」
脱新宗教
おわりに
言及できなかった新宗教
新宗教の系統
創価学会の特殊性
新宗教とカルト問題
新宗教の成熟
オウム事件以降
新宗教のこれから
イラスト:きーろ様(Twitter*@ki_ro_iroiro)
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