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サンデー毎日編『ものしり試合 日置昌一対談集』(@岡田茂吉文庫)

岡田茂吉文庫
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こんにちは、HIROROです。

今回は岡田茂吉文庫の第38弾としまして、
サンデー毎日編『ものしり試合 日置昌一対談集』を取り上げます。

本書ですが、日本文化史研究者で「ものしり博士」としても知られる日置昌一氏が
各分野の知識人(21人)と対談したサンデー毎日の連載をまとめたものです。
序文には次のように記されています。

 ものしり博士が、著書に、ラジオにその記憶力の鬼才ぶりを発揮しているのを見て、
 サンデー毎日が、世のいわゆる知識人と、かれとの博学ぶりを舌戦させたら、
 どんなことになるかと、初もの食いで、ものしり対談「実談・虚談」を連載し初めたのは、
 今春のこと連続二十一回、近来の珍よみものとして、好評を得たものだった。
 (本書序文より引用)

第1回では詩人・作家として著名な矢野目源一氏と、その後も著名人との対談を重ね、
最終回の第21回で岡田茂吉と「神がかりな話」というテーマで対談しています。

(本書262頁より引用)

日置氏は爾光尊(長岡良子)とも交流があったようで、
対談は口寄せ(降霊)の話題から盛り上がります。
そしてその話の流れでメシヤ教の信仰について次のようにやりとりしています。

 岡田:外国人が信仰し出したら日本のインテリもみんなついてくるよ。
    日本人を認めさせるには、まず外国人を先にする方が早い。(笑)
    だから、こんど米国に手をつけてみようと思っている。
 日置:日本人は、日本人よりも外国人を信ずるからね。
 岡田:何でも舶来という。宗教も舶来でなければだめだね。

今から70年近く前の本ですが、今も昔も日本人の気質は変わらないですね・・・^^;
もう一つ面白いやりとりがありましたのでご紹介します。

 日置:教祖さんは、運命ということをどうお考えですか。
 岡田:人間には、宿命と運命と両方ある。よくこれを一緒にするが、
    これは大変違う。宿命はもう動かすことはできない。
    運命というのは宿命の中に運命という一つのワクがあるんだね。
    運命の方は下へひいても上へ上ることもある、上にいても下に下ることもある。
    運がよくなることは出来る。つまり自分の与えられた最高に行くわけだ。
    しかし宿命というのはそうではない、天皇陛下の次に皇太子が出来る。これは宿命だ。

日置氏は召集を免れて、配属予定の部隊が硫黄島で玉砕するなど
奇跡体験をしていて宗教全般に対し理解があったため、対談はとても充実しています。

こちらも国立国会図書館デジタルコレクションの「図書館・個人送信資料」メニューにて
閲覧できますので、取り扱いがある大きい図書館に行かれた際はぜひ読んでみてください。

①タイトル
『ものしり試合 日置昌一対談集』

②著者・編者
サンデー毎日編集部

③出版社
現代思潮社

④出版年月
1953年8月

⑤サイズ
四六判

⑥頁数
270頁

⑦目次
第一回 矢野目源一 ホルモン食の話
第二回 渋沢英雄 男女交際の話
第三回 大宅壮一 新興宗教の話
第四回 村松梢風 侠客の話
第五回 林髞 医療の話
第六回 塙長一郎 言語の話
第七回 木下宇陀兒 記憶術問答
第八回 藤田信勝 東西秘史漫談
第九回 土居昭夫 スパイ問答
第十回 青木槐三 鉄道今昔話
第十一回 古澤平作 精神分析の話
第十二回 倉島竹四郎 囲碁・将棋の話
第十三回 奥むめお 女性問答
第十四回 守安正 お菓子の話
第十五回 古賀忠道 動物の話
第十六回 宮田重雄 三題ばなし
第十七回 村上元三 大衆文芸の話
第十八回 木村毅 開国百年秘話
第十九回 川上三太郎 川柳の話
第二十回 安田徳太郎 語源の話
最終回 岡田茂吉 神がかりな話
 ”口寄せ”に頑固だったスターリン
 米国人をメシヤ教に帰依させる
 奇蹟のはじまりは関東震災の予言
 宿命と運命は別もの
 米国を救うのは世界革命の第一歩

イラスト:きーろ様(Twitter*@ki_ro_iroiro)

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