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『古美術』1巻5号(昭和25年11月)「世界救世教祖 岡田茂吉翁 訪問記」

論考
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こんにちは、HIROROです。

先日、図書館に行った際に、国立国会図書館デジタルコレクション
「図書館・個人送信資料」メニューにて「岡田茂吉」で検索
しましたところ、
(※自宅PCでは「インターネット公開」メニューしか閲覧できません)
いくつかの書籍や雑誌の記事を発見しましたのでご紹介してまいります。

今回は『古美術』という雑誌で、雑誌編集部が箱根を訪問した記事が
4ページにわたって掲載されていましたので取り上げたいと思います。

雑誌『古美術』は古美術出版社より1950年7月に創刊されました。
創刊号(1巻1号)が7月に刊行後、8月に1巻2号、9月に1巻3号、
10月に1巻4号、11月に1巻5号、翌1951年1月に2巻1号が刊行されましたが、
管見の限りその後は発行されていないようです。

岡田茂吉が雑誌創刊からの愛読者であったことが取材のきっかけだったとのことで、
訪問記の内容につきましては岡田茂吉に対するロングインタビューでして、
紙面の大半が岡田茂吉の美術や宗教に対する考えが述べられています。

 「私は一體、宗教と美術は姉妹関係のものだと思ふ。
 今迄の宗教にはその點が薄かつたが、これからの宗教は
 美術ともつと密接に結び付かねばならんと考へる。
 美術によつて人間の殺伐な性質は和らげられ、
 そこに人間性の向上が見られ、宗教心も生れて来る。
 人間同士が争ふといふのは文化のレベルが低いからだ。
 そういふ人間の獣性を無くし、人間のレベルを上げるには、
 どうしても美術が必要になつて来る。(後略)」

など、宗教家としての美術に対する考えが書かれていまして、
特に岡田茂吉在世時の本人の言葉ですのでとても貴重です。

茶道についても触れられていますのでご紹介します。

 それからお茶は、私も家内も大好きで、官休庵の家元についてゐるが、
 今後は欧米人もお茶に段々興味をもつてくると思ふが、
 それと共に日本人の方でも日本の茶から国際的の茶にして
 行く様に考へねばならぬだろう。例へば、坐る代りに低い椅子を使ふとか、
 いろんな點で改良して行く必要がある。そういふことはインテリも言つてはゐるが、
 私は大きな規模で実際に必ず実行して行きたいと思つてゐる。

 「では、席の方に官休庵が見えておられるから」
 といふ翁の聲にその後を続いて入席する。
 宗匠に久潤の御挨拶をすれば、御先客には木村清兵衛翁などの
 お歴々がお揃ひで、これはこれは、と皆さんとも暫く振りの顔合せに
 話がはずみ、瀬戸唐津でお相伴する。脇棚にある佐藤朝山の
 木彫観音を指して翁は、「こういふものも、私は集めてゐる」
 と、翁の御蒐集が美術品の古今に亘ることを更めて強調されるかの様であつた。
 帰途暮霧にかすむ箱根路に、一部の無理解や褒貶を物ともせず
 一路大丈夫の壮志実現に邁進される翁の御健闘を心からお祈りした。

こちらは「図書館・個人送信資料」対応のPCがある大きめの図書館であれば、
閲覧と複写が可能ですので、是非ともご覧になってください。

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