こんにちは、HIROROです。
今回は岡田茂吉文庫の第55回目としまして、
『大宅壮一全集』第4巻を取り上げます。
本書に岡田茂吉に関する記載があることを、
ブログを通じてつながらせて頂きましたK様よりご教示頂き、
該当箇所のコピーも頂きました。まことにありがとうございました。
さて、HIROROは本書の現物を見ていないため、
一部ネット情報からの引用で解説させていただきますが、
まず大宅壮一氏は明治から昭和を生きたジャーナリストでして、
さまざまな雑誌に寄稿した内容は『大宅壮一選集』全12巻や
今回の『大宅壮一全集』全30巻などにまとめられています。
また大宅氏が亡くなった翌年の1971年には大宅壮一文庫が創立されます。
第4巻の題目は「宗教をののしる」でして、
HIROROは未読ながら目次からは世界救世教だけでなく、
大本、ひとのみち、生長の家などを解説しているようです。
(文末の目次は世界救世教の箇所のみ記載してます)
さて、世界救世教に関しましては334~349ページ(計16ページ)にわたり
前回の『神意の離脱』と同様に批判的な内容で書かれています。
もともとは1955年4月の『文藝春秋』に寄稿したもののようで、
当時ブラジルの日本人向けで発生した偽札事件と絡めて
岡田茂吉の集金力を非難している内容となっています。
大宅氏は1935年ころに岡田茂吉と会っていたそうで、
その時から胡散臭いと警戒していたことに加え、
裁判で争っていたこともあったため余計に批判が厳しいです。
数年前、彼が脱税とヤミ行為で検挙され、彼の顧問弁護士が
取調室の窓から飛び降りて自殺するという事件が起こったとき、
岡田茂吉なるものの存在を検討する文章を発表したところ、
彼は名誉棄損でわたしを告訴した。(本書339ページより引用)
一方で、大宅氏の鋭い意見も散見されるため、
気になった箇所を抜粋&要約してみます。
・成長の家の谷口は著述業・出版業からスタートし、
岡田茂吉は低い層を狙って街の指圧師から初めた
・そして最後にはいずれも宗教に到着したが、
その事業を宗教化することによって
ファンもしくは信者を組織化することに成功した
・谷口も岡田茂吉も徹底した事業家であり、
その事業の対象が宗教の形をとったにすぎない
その他はダラダラと批判が繰り返されるだけですが、
興味があるかたはご覧になってください。
①タイトル
『大宅壮一全集』 第4巻 宗教をののしる
②著者・編者
大宅壮一
③出版社
蒼洋社
④出版年月
1981年6月
⑤サイズ
A5判
⑥頁数
422頁
⑦目次
お光りさま昇天すー世界メシア教を赤裸にするー
“知能犯的”印象岡田茂吉
耳のバカでかい“大先生”
アプレ宗教NO・1
骨董屋と美術学校
にせ札作りの名人
教祖の天皇化
無肥料の自然農法
イラスト:きーろ様(Twitter*@ki_ro_iroiro)
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